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栄養士になるには?仕事内容や求められる資質と能力を紹介

2023.01.18

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栄養士は、栄養学の知識を活かし栄養バランスの取れたメニューを作成するなど、食生活のアドバイザーといえる職業です。料理に興味があり、高校生のうちから栄養士を目指そうと考えている方もいるのではないでしょうか?

この記事では、栄養士に求められる資質と能力、仕事内容をはじめ、栄養士を目指す方へ向けて進路も解説します。ぜひ参考にしてください!

栄養士とは?

2人で調理を行う栄養士

 
栄養士は、都道府県知事から免許を受ける国家資格です。仕事の内容は食事の指導・管理がメイン。栄養学の知識を活かし栄養バランスの優れた献立を考えたり、そのために調理方法を改善したりといった内容です。

栄養士は基本的に、健康な方に向けた食事の指導・管理を行い、就職先としては小・中学校、企業、児童福祉施設などがあります。子供の頃に接した学校の調理師さんのイメージが強いかもしれませんね!

管理栄養士など近い種類の職業も含め、栄養士という仕事の分野や概要について見ていきましょう。

栄養士と管理栄養士の違い

栄養士は都道府県知事から免許を受けた国家資格ですが、管理栄養士は厚生労働大臣から免許を受けた国家資格です。対象とする方にも違いがあり、栄養士が健康な方を対象とするのに対し、管理栄養士は病気や高齢の方への栄養管理指導も行います。このような違いから、管理栄養士の場合は福祉・保険施設、病院なども就職先に含まれます。

栄養士の仕事内容

栄養士は栄養指導も含め、幅広い仕事内容があります。主な仕事としては、以下のとおりです。

栄養指導

人々の健康な暮らしのために、適切な栄養素を摂取できるよう指導します。年齢や性別、生活習慣など人によって違いがあるため、一人ひとりに合わせた指導を行うことが大切です。
個人へ対する栄養指導だけでなく、社会へ対する啓蒙活動を行うこともあります。生活習慣病の予防など、健康的な食生活を世に発信していくのも栄養指導の一環です。

食育指導

子供たちに正しい食の知識を持ってもらうために、幼稚園や小学校などで食育の時間が設けられる機会が増えてきています。調理実習や食材の収穫といったイベントの企画や実施を行うのも、栄養士の仕事のひとつです。

献立の作成・調理

栄養やコストを考えながら、献立を作成します。栄養価とコストの条件を満たすだけでなく、季節や地域ごとの特色を反映させたメニューなど、おいしく飽きずに食べられる工夫も必要です。また、考えた献立に沿って調理を行うこともあります。

衛生・安全管理

食中毒や異物混入などの事故を防ぐため、衛生・安全管理は徹底しなければなりません。安全管理の一環として、食物アレルギーへの対応も行います。

栄養士の仕事のやりがい

栄養士の仕事のやりがいとして、例えば以下のような点があります。

・おいしかったと言われたとき
一生懸命考えた献立をおいしいと言ってもらえたときは、栄養士として大きな喜びを感じる瞬間です。特に病院や介護施設などでは「食事が一番の楽しみ」という方も多く、そういった方から感謝の言葉をもらえることもあります。

・自分の指導によって成果が現れたとき
自分の指導によって人々の健康が維持できたり、食事療法によって回復したりといった成果が得られたときもやりがいを感じられる瞬間です。人々の健康を食事面からサポートできるのは、栄養士という職業の大きな醍醐味といえるでしょう。

・食への深い知識が身につく
栄養士として日々の業務を繰り返していくうちに、食への深い知識や調理の技術を得られます。人間の暮らしに欠かせない「食」に関する経験なので、日頃の生活に役立つことも多いです。また、経験を活かせば管理栄養士などキャリアアップの可能性も増えてきます。

栄養士の仕事の流れ

栄養素のバランスを確認している栄養士

就職先などによってスケジュールは変わってきますが、ここでは一般的な栄養士の1日の流れとして解説します。

1.事務作業

出勤したらまず、書類整理などの事務作業から始まります。事務作業のあとは、調理師といっしょに調理を行うことも少なくありません。この際、食材の発注や在庫管理などもいっしょに行う場合があります。

2.献立作成

事務作業が完了したら、次は朝昼夕それぞれ献立を考えます。栄養バランスを考えながら、決められた予算内に収まるようにメニューを作成しなければなりません。また、指導・管理の対象となる人々がメニューに飽きてしまわないような工夫も求められます。

3.打ち合わせ

上で考えた献立について、管理栄養士や調理師なども交えて打ち合わせを行います。栄養バランスの偏りがないか、調理方法はどうするかなどを話し合います。

4.まとめ作業

打ち合わせのあとは栄養管理計画書の作成など、残りの業務に取り組みます。まとめ作業が終われば、業務終了です。

栄養士の年収

栄養士の平均年収は「令和2年分民間給与実態統計調査」(厚生労働省)によれば、総額で約353万円です。そのうち、賞与は約38万円です。ただしこれは35歳前後の平均年収なので、勤務先や経験年数などによっても変わってきます。勤務先の規模が大きいほど、経験年数が長いほど年収は上がっていく傾向です。

栄養士に必要な資質と能力

2人で野菜をカットする栄養士

 
栄養士に必要な資質や能力とは、どのようなものなのでしょうか。ここでは、栄養士に特に重要な資質について解説します。

食へ対する強い関心

栄養士は栄養素や予算といった条件を満たしつつ、飽きがこないようバリエーション豊富な献立を作成します。そうしたアイデアを出すためには、食に対しての強い関心が不可欠です。また、食に関する的確なアドバイスを行うためにも、自身が栄養学に詳しくなくてはなりません。

コミュニケーション能力

調理師と調理を行ったり、管理栄養士と打ち合わせをしたり、栄養士の仕事はチームプレーで行うことが多いもの。複数人で協力し合って献立を作るという目標を達成するためには、円滑なコミュニケーションが欠かせません。同僚だけでなく、子供たちや入居者などに接する機会も多いので、そこでもコミュニケーション能力が発揮されます。

調理のスキル

調理は調理師が行うのが基本ですが、栄養士も協力する場面が少なくありません。早めに出勤し、いっしょに仕込みをすることもあります。調理師と協力するために、栄養士にも調理スキルが求められるのです。また、献立を作る際にも調理過程を想像する場面がありますが、そこでも調理スキルが活かされます。

強い責任感

食を扱う職業なので、衛生安全に対する強い責任感が求められます。食中毒など、人の命に関わる事態も考えられるので、栄養士にとって何よりも大切な資質といっても過言ではありません。

栄養士になるための方法とは?

栄養士になるためには、どういった進路を選択すべきなのでしょうか?栄養士の業界の現状と併せて見ていきましょう。

栄養士の世界の現状

超高齢社会や健康ブームの流れもあり、栄養士の需要は高まっています。特に福祉の分野は需要が急速に伸びており、一人ひとりに合わせた食事を提供できる栄養士は欠かせない存在です。学校でも食育の推進が普及しており、そこでも栄養士は必要とされています。そのほか、栄養食などのサービスを展開する企業も増えてきており、食の専門家として活躍できる場は今後も増えていくでしょう。

栄養士になるための勉強ができる大学・学部

栄養士になるには、4年制大学や短大、専門学校に進学するのが一般的です。以下のような学部・学科で学ぶことは、栄養士を目指す上で大いに役立つでしょう。

<栄養士になるための勉強ができる学部・学科>
● 健康栄養学部
● 看護栄養学部
● 生活栄養学部
● 栄養学部
● 栄養科学部
● 食物栄養学科
● 健康栄養学科
● 栄養士科
● 管理栄養士科
● 栄養科

栄養士に必要な資格や受験すべき試験

栄養士として必要な資格は、国家資格である栄養士資格です。試験はありませんが、4年生大学、3年生の短大・専門学校、2年生の短大・専門学校などの栄養士養成施設で必修科目50単位を習得して卒業し、都道府県に申請すれば取得できます。

このほか、栄養士に関連する資格として以下のようなものがあります。

・管理栄養士
管理栄養士は栄養士からさらにステップアップした資格です。栄養士とは異なり、病気の方への栄養指導や個人の体調に合わせて栄養指導ができます。資格取得には栄養士としての実務経験(4年生卒:1年、3年生卒:2年、2年生卒:3年)を積んだ後に国家試験を受験し合格する必要があります。

・栄養教諭免許状
栄養教諭免許状は学校で栄養教諭として働くために必要な資格です。栄養教諭になるためには大学などで栄養教諭免許状取得に必要な単位を習得し、教員採用試験に合格する必要があります。
免許状には専修・一種・二種の3種類があり、卒業した栄養士養成施設の種類と栄養士資格の有無によって与えられる免許状が異なります。

・調理師免許
栄養士は実際に調理を行うことが多いので、調理技術の習得に役立つ免許です。調理師免許を取得するには、厚生労働大臣指定の養成施設で学習(昼間1年、夜間1年半)または飲食店などで2年以上調理業務に従事した後、国家試験を受験して合格する必要があります。

栄養士になるために目指すべき就職先

栄養士になるための就職先としては、大きく分けて3つあります。

・教育関係
学校は栄養士が多く働く場所です。保育園・幼稚園、小学校、中学校などがあります。また、複数の学校給食を作る給食センターも教育関係の就職先として挙げられます。いずれの就職先でも献立作成・発注業務・調理・栄養指導のほか、各家庭に配布される給食だよりの作成など事務作業も行います。

・医療・福祉関係
病院での栄養士の仕事は、入院患者の食事の管理、調理、提供です。入院患者向けなので消化が容易な流動食やエネルギー・タンパク質などを調整した献立作成、食物アレルギーへの対応が必要となります。

福祉関係では、老人ホーム、特別養護老人ホーム、児童施設、身体障害者や知的障害者施設があります。そこで暮らす入居者向けに3食を用意するため、早番・遅番などシフト制勤務となっている場合が多いでしょう。

・一般企業
一般企業では、例えば社員食堂などが就職先として挙げられます。社員食堂の場合、一般的には昼食が中心ですが、朝食や夕食も提供する場合があります。定番メニューの定食、そば・うどん・ラーメン、カレーなどのほか、毎日の食事で飽きずに十分な栄養が取れるような工夫が必要となります。

また、レストランや飲食店も就職先となりえる一般企業です。健康を前面に打ち出したヘルシー・低カロリーメニューの献立作成など、栄養士が活躍できる場面も多いでしょう。健康志向の高いレストランが向いているかもしれませんね!

栄養士になった後のキャリアプラン

食材をチェックする栄養士

栄養士になった後のキャリアとしては、どのような道があるのかをご紹介します。

学校給食の分野を目指す

多くの栄養士が活躍する就職先で、栄養士資格でなれるのは学校栄養職員、ほかに栄養教諭があります。日本の将来を担う児童・生徒の健康的な食生活や食育で貢献することができます。

病院での健康管理に貢献する

入院患者の食事療法や健康増進など、食事の面から患者に貢献できます。特に管理栄養士は病状に合わせた食事の提供を行うことができるので、やりがいもより大きくなっていくでしょう。

高齢者や障がい者に貢献する

老人ホーム、特別養護老人ホーム、児童施設、身体障がい者や知的障がい者施設などに入所されている方に「食事を通して幸福を感じてもらう」ことで貢献できます。

社員食堂で社員とともに働く喜びを共有する

カフェテリアで工夫をこらしたメニューを提供するなど、毎日利用する社員とともに働く喜びを共有できます。
そのほか、レストランや飲食店でのヘルシー・低カロリーメニューの献立作成。フィットネスクラブやジムなどで健康増進やダイエットを目的としての栄養指導といったキャリアも考えられます。

栄養士への道について「JOB-BIKI」で情報収集してみよう

栄養士は、栄養学の知識を活かして健康維持や食事療法をサポートできる、とてもやりがいのある仕事です。一生懸命に考えて作った献立を「おいしかった」と言ってもらえれば、栄養士冥利に尽きるのではないでしょうか。

栄養士になるには、栄養士養成施設で「必修科目50単位を習得して卒業する」必要があります。大学や短大、専門学校へ通うのが現実的なプランとなるでしょう。そのためには、高校生のうちから情報収集しておくことをおすすめします。

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